★ ストーカー対策１３《ファイナル》

私と他調査員１名に加え、他社からの応援を含め４人体制でファイナルに挑む。

男の車には前日の内にＧＰＳ発信機を装着、前回のＦ市の時とは違い男の動きは手に取るように把握出来る。
男はこちらと同様、何故か早く家を出てて行きつけのパチンコ店の付近で停車している
（まだパチンコ店は開いていない時間帯である）

依頼者のＡさんにも早めに出てきてもらい既に、我々と合流済。
その時刻ＡＭ８：００

男がＡさんをホームセンターに呼び出しているのはＡＭ１０：００

それまでに綿密な打合せを済ませ、時間を待つ。

９：３０　発信機により男がホームセンターの駐車場に入った事を確認
広い敷地の中、奥の方へ入っていく。
まだ時間が早い、男はまたどこかへ身を潜めながらＡさんを監視するつもりなのか！？

Ａさん宛に男からメールが入る。
「家はまだ出ていないのか！？出たなら早く連絡しなさい」

Ａさん「今出たところです、今向かっています」
男「高速道路が見えて来たら報告しろ」

９：５０
Ａさん「今、高速道路が見えました」
男「もうすぐしたらパチンコ店〇〇〇がある、そこを通過したら報告しろ」
Ａさん「今通りました」

全調査員、某ホームセンターに向かう。男の車輌が反応しているのは敷地内の奥側で変化なし。

ホームセンターに到着、同所の駐車場は“正面Ｐ”　“屋上Ｐ”　“奥側Ｐ”の３ヶ所存在する。

全車両、奥のＰへ向かい、男の車輌を確認。
まだ気付かれない様、又逃げられないように車輌の周りを包囲する。

車輌の中には男の姿は無い。

しばらく様子を見る。

現れない・・・

後ろから付いて来ている筈のＡさんの車輌が来ない

Ａさんに電話で確認「あれ？後ろから来てたよね？どうしたの？」

Ａさん「すいません、男がそこに来ています。正面の駐車場の入口辺りです。」

直ちに全員に連絡、正面に急行する

Ａさんの車輌確認！！なんと男は強引にＡさんの車輌の中に乗り込んでいる。
全車両、Ａさんの車輌を包囲

調査員「おい！この女の子怖がっとるやないか！出て来い！！」

男　　　「何ですかあんたら、関係ないやろ！！」

調査員「〇〇さん（男の名前）、あんた自分のやってきた事判ってんのか？ストーカー行為と脅迫や。証拠は全て揃ってる。警察行こうや」

男　　　「！！！！すんません！！もうしません、ごめんなさい。ただメールだと気持ちが伝わり難いんで会って話ししようとしただけなんです」

調査員「Ａさん怯えたままや、反省するんならしっかりＡさんに話せいよ！どうするんや」

男　　　「はい！話しします。」

調査員「どうする？Ａさん」

Ａさん　「はい、皆さんが一緒にいてくれるなら話聞いてみようと思います。」

～～男のメンツも尊重し外で反省してもらう事は避けてあげて、近くのファミリーレストランに場所を移動～～

Ａさんは緊張が解けたのか、男を見てまた恐怖心が蘇ってきたのか、悔しさなのか、自分も悪かったとの反省の気持ちからなのか・・・恐らく色んな感情が爆発したのであろう。
声をあげる程、涙を流しながら泣きじゃくっている

男も、事の重大さを実感しつつ、さすがに猛省しながら必死にＡさんに謝っている


男は自分のやって来た事、反省している事、もう二度とＡさんに関らない事、約束を破った時には刑事告訴を
されても意義は無い事を誓約書として綴り、拇印を押す。

ここでは、調査員は誰一人も怒鳴る事無く男に反省を促した。
Ａさんは泣きながらも頭に来ていたようで、一番怖いかったかもしれない。
「私はあなたの事絶対許しません！！慰謝料を請求します！！！」

おおおお～～～～っ、怖っ！

２時間程、当事者を中心に話をし、最後はＡさんも男を刑事告訴する事はなく許す事になった。

男も想像していたＨな妄想から、Ａさんの反撃に合うという散々な現実に叩き落とされた訳だが、それは自業自得で仕方が無い。
Ａさんは何ヶ月にも渡って怯える日々を送って来たのだから。

男も、家にいる奥さんや、子供３人の為にもこれを機に改心して欲しいものである。
このまま約束どおりにＡさんから身を引けば、勿論我々も男の周りには姿を現さない。

Ａさんもやっと普通の日常が返ってきて笑顔も戻った
今後は寂しくとも、出会い系サイトは利用せず、一生懸命勉強している旦那さんをサポートしていく事を誓ってくれた。

私もメール地獄から開放される。
ふぅ～っと落ち着く暇もなく、また新たな依頼人のトラブってしまった人生物語が待っている。