★ ストーカー対策１２《セミファイナル》

男は幻の女（私が創り出した架空のメル友）となかなか会えない事から、そのやきもきしたイライラを依頼者のＡさんにぶつけはじめる。

Ａさんは、そのメールに一つ一つ返事を返す事もままらなく、全て私に転送、私が返信するコメントを考える。

この男の攻略に着手してからの間、男からのメールとＡさんからの転送メールとでメール三昧の毎日だ。
でもその一つ一つこなしてきた地味な努力がようやく実を結ぶところまでやってきた。

男は幻の女からＨのお預けを何度も食らい、悶々としてきているのであろう。
Ａさんとの接触を急激に求め始めている感じが見え始めてきた。

私はすかさずその感情に付け入る。

勿論Ａさんから「会いたい」みたいなアピールをさせる訳にはいかない。
あくまでも、男が脅迫して『恐る恐る呼び出しに応じる』という形にしなければならない。

「Ａさんが会いたいというから会ったんだ」と言われれば、ストーカー行為としての立証が難しくなる。

～～～～～～～～～～～私のブラックメール　中略～～～～～～～～～～～～～～

成功した男が日にちと時間指定で松原市の某ホームセンターにＡさんを呼び付けてきた。


しかしここから男の一癖も二癖もある本性が姿を現す。
Ａさんに対し
「今から車に乗ってナビでホームセンターを目的地に登録しろ、そして案内された道を言え」

「この日ちゃんと会えなかったらもう終わりだからな、覚悟しておけ」

「俺に万一のときの時のは手は打ってるからな～」

などと、話に応じて「行きます」と答えてやってんのにこのメールの有様。
素朴で大人しそうな普通の女性１人に対してなんて用心深さ・・・
しかも、身分を知ってる事を良い事に脅迫してて何も逆らえない女性なのに・・・
「おまえは腹黒い女や、俺がちゃんとキレイにしてやるからな」なんてのも来た


まぁ、普通の女性と違うのは、ブラックメールをも使いこなす我が探偵社を味方に付けた事。

調査員を増員し、Ｘデーファイナルに挑む